2018年1月17日水曜日

コリネバクテリウム・ウルセランスについて調べてみました  2018年1月17日


猫からの感染症で死亡例が報告されてニュースになったようです。


なので、
コリネバクテリウム・ウルセランス
について調べてみました。


以下、国立感染症研究所のHPより抜粋。

コリネバクテリウム・ウルセランスとジフテリア菌

走査電子顕微鏡像

Corynebacterium ulcerans(コリネバクテリウム ウルセランス)

C. ulceransはジフテリア菌に類縁なグラム陽性の短桿菌で、おもに家畜などの動物に常在しており、ウシの乳房炎の原因となることがある。通常C. ulceransは毒素を産生しない場合が多いが、ジフテリア様疾患の患者から分離されたC. ulceransは、ジフテリア菌とほぼ同じ毒素を産生する。毒素産生性のC. ulceransは毒素非産生の菌に毒素の遺伝子をもつバクテリオファージが感することによって生じたと考えられている。 
・・・うーん。。


wikipediaとかからちょっと調べてまとめ直してみました。
違っていたらすみません。

まず、

感染症とは何か?

本来体の中にいないはずの、細菌、真菌、寄生虫、ウイルス、プリオンなどが体の中に侵入(感染)それに対して反応を起こすこと。

ということでよいのかなと思います。

例えていうなら、、、

ウォールの中で平和に暮らしていた紀王国の中に、いきなり壁を壊してコリネバクテリウム一族が侵入し、家や土地や食料を勝手に使ってバンバン子供を産んで増えだした!
怒った紀一族、討伐隊を繰り出してバトル勃発!!
戦場には炎と死体が積み上がり血が流れ、炎症状態に!!!

ってとこでしょうか。
で、そのバトルフィールドが、肺だったら肺炎、腸だったら腸炎、脳だったら脳炎となり、それぞれ異常を表す症状として、咳とか、腹痛とか、頭痛とかが起こるわけですね。
多分、、、


感染症の原因

細菌、真菌、寄生虫、ウイルス、プリオンなどが感染症の原因ですが、それぞれものが違います。

細菌は顕微鏡でみた見た目で分類されることが多いです。桿菌は細長いで球菌は丸いのです。(wikipediaより 大腸菌

桿菌(大腸菌)の電子顕微鏡写真

細菌にも、大腸菌、ビフィズス菌、サルモネラ菌、、などなどたくさんいます。
人間の皮膚や腸管は目に見えないけど細菌だらけです。でもこういう常在菌はあまり悪さはしません。さらにその内部の心臓とか肝臓とかは基本的には無菌です。
で、細菌は抗生剤が効くことが多いです。


一方、ウイルスというのは、細菌よりもっと小さいものです。目に見えないくらい小さい細菌のさらに100分の1とか1000分の1とかの大きさになり、通常の理科室にあるような光学顕微鏡では見えず、電子顕微鏡が必要になります。
細菌が家だとするとウイルスはその中に落ちてるゴミぐらいでしょうか?
インフルエンザウイルスや、HIVウイルス(AIDSの原因)など一部のウイルスには抗ウイルス薬がありますが、大部分のウイルスには薬がありません。
風邪の原因も大抵ウイルスなので、寝て治すしかないんですね。体の中の討伐隊に頑張ってもらって。


真菌というのは、いわゆるカビです。キノコとか酵母の仲間ですね。恐ろしいことに人の体にもカビが生えるのですね。抗真菌薬という薬があります。
寄生虫は、サナダ虫とか、エキノコックスとか、マラリアとかですね。
真菌と寄生虫の細胞は核があり、細菌には核がないところが違いとなります。
プリオンは、増殖するタンパク質ですが、複雑になるので触れません。狂牛病(BSE)などの原因です。


で、

コリネバクテリウム・ウルセランス

は、
細菌の一種
です。
なので抗生剤が基本的には効きます。マクロライド系が効くそうです。
死亡率が上記のように高めなようですね。日本では今までに25人の方がこの細菌に感染している報告があり、今回初めて亡くなったので一気にニュースになったようです。
(ちなみに日本の死因第3位を占める肺炎では年間11万人が亡くなっています。肺炎の原因としては、肺炎球菌という細菌が一番多いです)

さらには、
人獣共通感染症
なのが問題なのです。


人獣共通感染症

また国立感染症研究所HPより抜粋
同一の病原体により、ヒトとヒト以外の脊椎動物の双方が罹患する感染症です。

    上に挙げたような、感染症の原因となる細菌やウイルスは、大抵人なら人、猫なら猫、牛なら牛、キツネならキツネ、と、感染する先が決まっています。
    つまり縄張りごとに棲み分けているんですね。
    しかし、たまに、相手構わず、人でも猫でもキツネでも牛でも、御構い無しに侵入し、シマを荒らしまくる、仁義なき荒ぶれものがいるのです。
    で、動物から人にうつってしまうので、それが問題になります。

    狂犬病、アニサキス、日本脳炎、ペスト、エキノコックスなど結構たくさんあります。

    で、このコリネバクテリウム・ウルセランスは、猫から人にうつってしまうので問題になっているのです。
    人から人にうつることは非常に稀、だそうです。(人から猫にうつるかは不明)



    症状


    人の場合:
    基本的にジフテリアと類似した臨床症状を示します。呼吸器感染の場合には、初期に風邪に似た症状を示し、その後、咽頭痛、咳などとともに、扁桃や咽頭などに偽膜形成や白苔を認めることがあります。重篤な症状の場合には呼吸困難等を示し、死に至ることもあります。また、呼吸器以外(頸部リンパ節腫脹や皮膚病変)の感染例も報告されています[3, 6]。

    猫の場合:
    飼育している犬や猫が咳やクシャミ、鼻水などの風邪様症状、皮膚炎、皮膚や粘膜潰瘍などを示しているときは、早めに獣医師の診察を受けるようにしてください。
    また、こうした犬や猫に触る場合は、過度な接触を避け、手袋やマスクをし、触った後は手洗いなどを励行してください。

    ただ、細菌に感染していてもそういう症状を示さないことがあるようなので、濃厚な接触をしないように、触れ合った後は手洗いをするように、と注意が出ているようです。
    濃厚な接触、、、キスをしないとか、でしょうか。



    ジフテリア

    このコリネバクテリウム・ウルセランスは、ジフテリアの仲間です。
    ジフテリア菌=Corynebacterium diphtheriae 
    コリネバクテリウム・ウルセランス=Corynebacterium ulcerans
    名字が一緒ですね。
    まあ、藤原一族みたいな親戚のようなものでしょうか。

    親戚なので見た目も似ていて、遺伝子も似ています。住むところも似ているので、同じような症状が出ます。

    ジフテリア

    ジフテリアはジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の飛沫感染によって起こる呼吸器疾患であり、感染部位によって鼻、扁桃・咽頭、喉頭ジフテリアに分類できる。しかし、まれに眼瞼結膜、中耳、陰部、皮膚にも感染が起こることがある。重症化すると昏睡や心筋炎などの全身症状が起こり、死亡率が高くなる。死亡率は平均5~10%、5歳以下40歳以上では20%をこえるとされている。現在日本では予防接種の普及と衛生状態の改善によって患者の発生はほとんど見られないが、予防接種率の低下した旧ソ連地域では1990年代に大発生が起きており、油断することはできない。
    ジフテリアは日本では保健所への届出の必要な感染症です。
    典型的には喉の奥に偽膜という白い膜ができるそうです。
    3種混合ワクチン(今は4種)の中に含まれており、それでだいぶ予防されているようですね。

    このコリネバクテリウム・ウルセランスもワクチンが効くという話があり推奨されているようです。(時間がたつと効かないという報告もあるようですが、、、)
    死亡された方がワクチンを打たれていたかが気になりますね。
    自分は打ってたかしら、、多分打っていたと思うんですけど。


    まとめ

    ・飼い猫が風邪症状、皮膚潰瘍が出たら早めに獣医さんに連れて行こう。
    ・自分に呼吸器症状が出たら、医者に「猫を飼ってます」といって喉をみてもらう。
    ・知らない猫にはむやみに触らず、触った後は手を洗おう。

    というところでしょうか。

    正直、日本には何万もの猫がいて、そこからコリネバクテリウム・ウルセランスに感染したのが25人なら、私は全然心配していません。宝くじに当たるより低い確率でしょう。
    交通事故や肺炎、インフルエンザの方がずっと確率が高いですからね。
    (個人の感想です)

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