東京都・練馬区にお住まいの佐々木さんご一家は、今年の春にある保護団体から1匹のキジトラ猫を迎えました。名前は「ミミちゃん」。推定1歳の女の子です。
保護当時は人間に強い警戒心を持っており、近づくと押し入れの奥へ逃げ込んでしまう日々。それでも佐々木さんは、朝晩のごはんの時にやさしく声をかけ、ご家族全員で根気強く見守ってきました。
ミミちゃんが少しずつ家の中を歩き回るようになったのは、保護から1ヶ月を過ぎた頃。けれど「触らせてくれる日は、ずっと先だろう」と思っていたそうです。
それが昨日、朝ごはんを用意していた佐々木さんの足元に、
ミミちゃんがそっと体を寄せてきました。
「おはよう」と声をかけながら、おそるおそる背中をなでると――ミミちゃんは逃げるどころか、小さくゴロゴロと喉を鳴らし始めたのです。
そしてその日の午後、初めてのシャンプーにも挑戦。嫌がる様子も少なく、終わったあとはタオルにくるまれてご機嫌な様子だったとか。
「信じてくれたんだなって思ったら、うれしくて…。
ふわふわになったミミを抱きしめたとき、泣いちゃいました」と佐々木さん。
時間をかけて、少しずつ育まれた信頼。
その重みと温かさを、ミミちゃんのぬくもりが教えてくれた一日でした。