「ガーコ」、小学生のあとを今日もついてくる
東京都杉並区のある小学校で、ここ最近ちょっとした“朝の名物”になっているのが、通学中の児童・ハルくん(小学3年生)と一羽のカラス。
名前は「ガーコ」。
誰が呼び始めたのかは定かではありませんが、毎朝7時半すぎになると、ガーコは学校近くの電柱にやってきて、ハルくんの後ろを少し距離をあけてトコトコ歩いてついていくのです。
「最初は怖かったけど、声かけてみたら、こっちを見て首をかしげたんだよ」とハルくん。
その日から、パンの耳をポケットに入れて登校するようになり、ガーコとの「朝のおやつタイム」が始まりました。
登校中に会うおばあさんや通勤中の会社員たちも「今日も一緒だね」と声をかけるほど、すっかり地域のアイドルに。
学校につくと、ガーコは門の前のフェンスにちょこんととまり、「カァ」と一声。
「行ってくるね!」とハルくんが手を振ると、彼は空に舞い上がっていきます。
「ずっと一緒じゃなくても、待っててくれる感じがするんです」と、ハルくんの母・由美さん。
ガーコが最初から“誰かに飼われていたのか”“ただの気まぐれか”は分からないけれど、
この夏、少年と一羽の黒い鳥の間に芽生えたやさしい信頼は、まるで短編映画のよう。
明日もきっと、電柱の上で「おはよう」を待っているはずです。