ぼくの自由研究、テーマは「となりのカメさん」
長野県松本市。今日から夏休みに入った市内の小学校では、朝から子どもたちの元気な声が聞こえてきます。
その中のひとり、2年生のトモヤくんは、朝からスケッチブックを手に団地の階段に座っていました。
目の前にいるのは、お隣の家で飼われているリクガメの「カメノスケ」くん(15歳)。
散歩中のカメノスケくんは、ゆっくりと団地の共用スペースを歩くのが日課。ご近所では「歩く植木鉢」「ご近所警備隊」と親しまれている存在です。
「カメって毎日なに考えてるのかなと思って」と、トモヤくんは真剣な表情で観察を始めました。
「今日は左に5歩、右に3歩、そして…急に止まりました」
スケッチブックには、色鉛筆で描いた「停止中のカメノスケ」が。
さらにページには、
「カメは雨のにおいがする方向に歩きます(かん)」
というメモ。※(かん)=かんさつの略らしいです。
お母さんが「もうお昼だよ」と声をかけても、「カメノスケ、動きそうだからもうちょっと…!」と夢中な様子。
カメノスケの飼い主であるご近所のご夫婦は、笑って言いました。
「今年の自由研究、発表会で拍手もらえると思うよ」
静かに進むカメと、じっと見つめる少年。
そこには夏休みらしい、時間の流れとやさしい空気がただよっていました。