子犬の初診、“勇気のしっぽ”
新学期の始まりと同じこの日、町のどうぶつ病院にも新しい出会いがありました。
生後3か月の子犬・ポチが、はじめて診察を受けにやってきたのです。
待合室では緊張して震えていたポチ。聴診器をあてようとすると「キャン!」と小さく鳴き、飼い主の女の子の腕にぎゅっとしがみつきました。ところが先生がやさしく声をかけ、頭をなでてあげると――しっぽが少しだけ、ふりふり。
「がんばったね」と褒められた瞬間、診察台の上でもしっぽを大きく振りはじめ、周りの飼い主さんやスタッフから拍手が起きました。
「きょうからポチも立派な病院デビューだね」
女の子がそうつぶやくと、ポチは胸を張るようにして、再び元気にしっぽを振りました。
病院は不安な場所。でも小さな勇気が、みんなの笑顔につながった月曜日でした。