傘の下の小さな同乗者
朝からしとしと雨が降った月曜日。どうぶつ病院にやってきたのは、黄色いランドセルを背負った小学生と、その肩にちょこんと乗った小さなハムスターでした。
「濡れちゃうとかわいそうだから」――そう言って、男の子は自分の傘を大きく傾けて、ハムスター用にもしっかり雨よけを作ってあげていたのです。
病院に着くと、受付のスタッフも先生も思わずにっこり。待合室では犬や猫の飼い主さんたちからも「かわいいね」「優しいね」と声をかけられ、ハムスターは安心したように毛づくろいをはじめました。
小さな命を守ろうとする子どもの心が、雨の日の病院に温かな空気を広げていました。